このあいだ見に行って来た、早川良雄の展覧会はすごく良かった。
あの絵が商業デザインとして成立してるっていうのも凄いけどね。
カッコいいなぁ。
展示されてた原画は、絵の具と色鉛筆で色の重なりを慎重に配慮して描かれている上、画面から伝わってくる筆の動きからは大胆さが失われてなくて、ザクザクと音が聞こえてくるようだった。
そんなに難しいことしてないのに、決め所を心得ているから、絵に平板な印象を与えないし、特に輪郭の処理の仕方には独特な気の使いようが見えてわくわくした。
境界について
2010-02-07 16:55:37 (212 days ago)
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家のトイレには、芳香剤と消臭剤が置いてあって、芳香剤からは森の香りが、消臭剤からはバラの香りがするんです。どちらも同じ香りにして匂いを統一すれば良かったものの、うっかり別の香りを買ってしまったので両方使っている。
一つは入口の側に、一つは奥の水が流れるタンクのところへ置いてあり、狭いトイレの中に二つの香りが起こっているわけなんですけど、なぜか二つの香りは部屋全体で混ざってしまうことがないようです。
さっき、僕は水を流して便器を洗浄し、タンクの側にあった僕の頭部が入口の側に近づき、鼻腔を通る香りが森からバラへ変わるその動きをしたタイミングで(簡単に言うと便座から立ち上がった時)、何か嗅いだことのない、くぐもった香りを吸い込んでしまったのです。
それは丁度、森とバラの中間地点(どこだそれ!)。
「あ、これは…」
僕、偶然、臭いの境界を見つけちゃったみたいです。
そこは、乾かし忘れた洗濯物みたいな匂いがした。
一つは入口の側に、一つは奥の水が流れるタンクのところへ置いてあり、狭いトイレの中に二つの香りが起こっているわけなんですけど、なぜか二つの香りは部屋全体で混ざってしまうことがないようです。
さっき、僕は水を流して便器を洗浄し、タンクの側にあった僕の頭部が入口の側に近づき、鼻腔を通る香りが森からバラへ変わるその動きをしたタイミングで(簡単に言うと便座から立ち上がった時)、何か嗅いだことのない、くぐもった香りを吸い込んでしまったのです。
それは丁度、森とバラの中間地点(どこだそれ!)。
「あ、これは…」
僕、偶然、臭いの境界を見つけちゃったみたいです。
そこは、乾かし忘れた洗濯物みたいな匂いがした。
二つの出来事
2010-01-28 23:08:54 (222 days ago)
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駅に向かう途中のある通りで、ここを何か通ることが出来るのか、というような細い隙間から二人の男性が出て来た。どちらも50〜60代くらいの白髪の混じった頭に、一人は背の高い、もう一方は背の低い二人組で、グレーの作業着のような、腕の部分がダブついたサイズが大きめのジャンパーを羽織っていた。
僕は何度もここを通ったことがあったのに、二人が出て来た隙間に一度も気づいたことがなかった。
それほど細い隙間だった。
彼らが行った後、その隙間を覗いてみたけど、暗くてほとんど何も見えなかった。
あまりに唐突に、意識の外からこちらの世界に入って来た人達を見て、なんだか空間がおかしくなってしまったんじゃないかと思った。
息子のなっちろと毎日風呂に入っている。
風呂に入っている間、なっちろは呼びかけても全く気づいてくれない。
意識がどこかへ飛んでいってしまっているように、大概、風呂の天井の角の一点を見つめて何かを見ているような表情をしているので、僕はなんとかしてこちらの方へ意識を戻そうと大袈裟にくすぐってみたり、まあるいほっぺたに噛み付いてみたり、色んなことをしてみるんだけど、心ここにあらずといった顔の彼。
足を時々動かして、かえる泳ぎのような仕草をするが、水の感触に浸っているような感じでもない。
一体何を見ているんだろうか。
何かをそこに感じているんでしょうか。
ちょっと繋がっているんじゃないかと思った出来事二つ。
知っているようで見えてないことがあるかもしれない。
僕は何度もここを通ったことがあったのに、二人が出て来た隙間に一度も気づいたことがなかった。
それほど細い隙間だった。
彼らが行った後、その隙間を覗いてみたけど、暗くてほとんど何も見えなかった。
あまりに唐突に、意識の外からこちらの世界に入って来た人達を見て、なんだか空間がおかしくなってしまったんじゃないかと思った。
息子のなっちろと毎日風呂に入っている。
風呂に入っている間、なっちろは呼びかけても全く気づいてくれない。
意識がどこかへ飛んでいってしまっているように、大概、風呂の天井の角の一点を見つめて何かを見ているような表情をしているので、僕はなんとかしてこちらの方へ意識を戻そうと大袈裟にくすぐってみたり、まあるいほっぺたに噛み付いてみたり、色んなことをしてみるんだけど、心ここにあらずといった顔の彼。
足を時々動かして、かえる泳ぎのような仕草をするが、水の感触に浸っているような感じでもない。
一体何を見ているんだろうか。
何かをそこに感じているんでしょうか。
ちょっと繋がっているんじゃないかと思った出来事二つ。
知っているようで見えてないことがあるかもしれない。
ときどき落語を聴いてます
2010-01-19 16:29:39 (231 days ago)
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- 日記
数年前から少しずつ落語を聞いてます。
お気に入りの噺家は、みんな大好き柳家小三治。
って、あげるにしては当たり前すぎるか。
喬太郎とか志の輔とか喜多八も好きです(こっちも当たり前なんだけど)。
落語を聴いていると、噺の世界ににどっぷり浸かってしまい、舞台となっている江戸の街が頭の中に浮かんで来て、僕はすっかり江戸の街に入り込んでしまう。
語りによって別の世界へ連れて行かれてしまう感覚。
僕はそれが好きなんです。
小説とか音楽や演劇や映画、絵画とか彫刻とかマンガや写真や食事でも、そんな力があることが不思議で、その語られ方によって連れて行かれる景色や場所が全然違うのが面白いなぁと思う。
お気に入りの噺家は、みんな大好き柳家小三治。
って、あげるにしては当たり前すぎるか。
喬太郎とか志の輔とか喜多八も好きです(こっちも当たり前なんだけど)。
落語を聴いていると、噺の世界ににどっぷり浸かってしまい、舞台となっている江戸の街が頭の中に浮かんで来て、僕はすっかり江戸の街に入り込んでしまう。
語りによって別の世界へ連れて行かれてしまう感覚。
僕はそれが好きなんです。
小説とか音楽や演劇や映画、絵画とか彫刻とかマンガや写真や食事でも、そんな力があることが不思議で、その語られ方によって連れて行かれる景色や場所が全然違うのが面白いなぁと思う。
八百八百日記 と ただいまおかえりなさい
2009-12-25 22:22:28 (256 days ago)
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カテゴリタグ:
- 日記
数日間、体調を崩して寝込んでました。
なんとかウィルスが体内に入り込んだらしく大変な目にあいました。
ところで突然ですが、南田さんという年上の女性から一通のメールをもらいました。
3年前に新幹線の中で隣の席になって話をしたようで、僕はそのことをすっかり忘れていました。
でも彼女はそれからずっと僕の動向を気にかけていて、TRAX の個展にも行ってくれたそうです。
メールでは個展の感想を綴ってくれ、これからも頑張るようにと励ましてくれました。
どうもありがとうございます。
でも僕、あなたのこと一切思い出せないよ…。
起きる間際に見た夢でした。
熱でうなされながら目を覚まし、知り合いに南田さんなんて一人もいないと気づく。
そこでやっと目を開けると生後約半年の息子、通称なっちろが、首でブリッジしながらニコニコ顔で病床の僕の顔面に突っ込んで来ました。
ああ、なっちろよ、ブリッジばかりする赤子(←ここは夢でない)。
TRAX の展示が終わってから、Murgraph の個展を原宿で開き、そして終えて。仕事をして打合せして仕事して打合せして忘年会して忘年会して仕事して病気して寝込みました。あっという間に今年もあと数日しか残ってないことに驚きます。
TRAX の展示に来てくださった方、本当にありがとうございました。
すごく見たかったけど行けなかったと連絡をくださった方、またはそう思ってくれた方(がいることを祈る)、発表はこれからも続けていくので、是非またの機会によろしくお願いします。
今年は制作や発表の面でも充実してたし、子供が生まれたり、結婚式してたり大変な一年だった気がします。
特に子供が生まれてから、制作する時間や自由になる時間が減りましたが楽しさが増えました。
ここで唐突に話が変わりますけどね、鉄割の戌井昭人さんと奥さんの多田玲子が2冊の本を作りました。
「八百八百日記(創英社)」

「ただいま おかえりなさい(ヴィレッジブックス)」

2冊ともとっても素敵な本です。
「物語になる前」の話に「絵になる前」の絵がつまった、二人が反射神経を研ぎすませて書いた(描いた)ような感じの本です。それなのに時間が経つとそこからイメージが広がっていくような不思議な本です。鋭く切り込み、そこから体内にジンワリと広がっていく、毒蛇の牙の先から出る毒のような本です。
おろかものには
おろかもののステップがある
そのステップ を
気づくかが もんだいだ
そんなの知ってますよ
生きるのてはずかしいことなんすよ
つねにおなかがすきますしね
「ただいま おかえりなさい」より
沢山のお話と絵が入っているので、眠る前に読むと面白い夢が見られるんじゃないかと思うよ。
何度読んでも面白いし。
デザインも素敵なので手元に置きたくなると思います。
みんな買ってね。
なんとかウィルスが体内に入り込んだらしく大変な目にあいました。
ところで突然ですが、南田さんという年上の女性から一通のメールをもらいました。
3年前に新幹線の中で隣の席になって話をしたようで、僕はそのことをすっかり忘れていました。
でも彼女はそれからずっと僕の動向を気にかけていて、TRAX の個展にも行ってくれたそうです。
メールでは個展の感想を綴ってくれ、これからも頑張るようにと励ましてくれました。
どうもありがとうございます。
でも僕、あなたのこと一切思い出せないよ…。
起きる間際に見た夢でした。
熱でうなされながら目を覚まし、知り合いに南田さんなんて一人もいないと気づく。
そこでやっと目を開けると生後約半年の息子、通称なっちろが、首でブリッジしながらニコニコ顔で病床の僕の顔面に突っ込んで来ました。
ああ、なっちろよ、ブリッジばかりする赤子(←ここは夢でない)。
TRAX の展示が終わってから、Murgraph の個展を原宿で開き、そして終えて。仕事をして打合せして仕事して打合せして忘年会して忘年会して仕事して病気して寝込みました。あっという間に今年もあと数日しか残ってないことに驚きます。
TRAX の展示に来てくださった方、本当にありがとうございました。
すごく見たかったけど行けなかったと連絡をくださった方、またはそう思ってくれた方(がいることを祈る)、発表はこれからも続けていくので、是非またの機会によろしくお願いします。
今年は制作や発表の面でも充実してたし、子供が生まれたり、結婚式してたり大変な一年だった気がします。
特に子供が生まれてから、制作する時間や自由になる時間が減りましたが楽しさが増えました。
ここで唐突に話が変わりますけどね、鉄割の戌井昭人さんと奥さんの多田玲子が2冊の本を作りました。
「八百八百日記(創英社)」

「ただいま おかえりなさい(ヴィレッジブックス)」

2冊ともとっても素敵な本です。
「物語になる前」の話に「絵になる前」の絵がつまった、二人が反射神経を研ぎすませて書いた(描いた)ような感じの本です。それなのに時間が経つとそこからイメージが広がっていくような不思議な本です。鋭く切り込み、そこから体内にジンワリと広がっていく、毒蛇の牙の先から出る毒のような本です。
おろかものには
おろかもののステップがある
そのステップ を
気づくかが もんだいだ
そんなの知ってますよ
生きるのてはずかしいことなんすよ
つねにおなかがすきますしね
「ただいま おかえりなさい」より
沢山のお話と絵が入っているので、眠る前に読むと面白い夢が見られるんじゃないかと思うよ。
何度読んでも面白いし。
デザインも素敵なので手元に置きたくなると思います。
みんな買ってね。