ULTRA003

11月 1st, 2010 by a.s.

久しぶりの更新です。
間が空いてしまってすみません。
しかも当日にお知らせ。

スパイラルガーデンで行われているアートフェア「ULTRA003」。
今日から始まった、後期11月1日(月)〜3日(水・祝)の期間に、恵比寿にあるギャラリーのwaitingroomのブースで作品を扱っていただいています。
トラックスでの展示の後に描いた、小さい作品が3点です。
トラックスの展示が去年の11月だから、作品を発表するのはほぼ一年ぶりなんですけど、制作はこつこつと続けていました。この機会に見てもらえたら嬉しいです。

会期:ノヴェンバー・サイド:11月1日(月)〜3日(水・祝)
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
TEL:03-3498-1171
時間:11:00〜20:00
入場料:入場無料
主催:ウルトラ実行委員会(現場商會+株式会社ワコールアートセンター)
企画制作:スパイラル、現場商會
詳細:http://www.spiral.co.jp/e_schedule/2010/10/ultra003.html

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夏のできごと

8月 25th, 2010 by a.s.

晴れた日は、毎日、ベランダで息子を子供用のプールに入れてる。
プールの水面で反射した日光が天井に映って模様を作り出すので、それを見るのが好きです。

暑い毎日です。


写真は房総半島への旅行で撮ったやつ。

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雨とバッタ

7月 29th, 2010 by a.s.

アトリエから帰ろうとして車に乗り込むと、ダッシュボードの上に小さな小さなバッタを見つけた。
目を凝らすと、それは子供の頃によく捕まえたショウリョウバッタで、この大きさから判断すれば、さっき生まれたばかりだろうと思った。
小さくても大人のバッタと同じく頭が尖っていて、そのてっぺんから二本の触覚が上方へ向かってピンと立っていた。
こんなところにいるよりは外で自由を謳歌したまへと、僕は手で捕えて逃がそうとしたけど、そいつは、まず手の方に危険を感じたらしく、指の隙間からさーっと逃げていってしまった。
僕は慌てて扉を開き、バッタが逃げやすくなるように、その扉を少しバタバタと扇いでみた。
バッタの姿はどこかへ消えた。
その時、突然、湿気がひどくなり、首の辺りに汗がジンワリと浮いて出てきた。
ほどなく、車体に雨粒がぶつかってきて、あっという間に土砂降りになった。
空を見ると、雷の閃光が4本同時に空を横切った。
雷は短い時間に何度も何度も光って、その度に鋭い地響きが車のガラスをビリビリと震わせた。
さっきまで晴れてたのに、おかしな天気だ。
この豹変ぶりに恐怖を感じながらアトリエを離れた。
途中、雷様の支配から逃れることができて、家に到着するころには水滴もすっかり落ちて、車体は乾いていた。
車から下りた時、ふと、あのバッタはどうしたかなと思った。
その時、肩にかけた鞄のベルトに、あのバッタがくっついているのに気がついた。
見ていると、バッタはそこでピョンと跳ねて地面に下りた。

「なんか、バッタ君は何でも知ってるみたいやなぁ」と関西弁で呟いた、頭の中のあんた誰?

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甲羅の上で見た

7月 6th, 2010 by a.s.

普段、目に見えていない場所へ入り込むにはコツが必要なのではないかと思う。

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箪笥と女

6月 27th, 2010 by a.s.

新しい家に来て、すぐに港北のIKEAに行って箪笥を二つ買った。ご存知の方も多いと思いますけど、IKEAの家具ってお店では製品の部品が売ってて、購入しても組み立てないと使えないのです。
不便。でも、そのかわり安い。
しかし、これ、組み立てないことには、ただの段ボールに入れられたパーツ一式であって(しかも激しく重い!)、家の一室は、その段ボール箱に占拠され服も入れられず、ジャスト物置状態なのでした。
そこで、長らく放っておかれた箪笥以前を組み立て、箪笥真最中にすべく、僕は右手にドライバーを持った。

組み立てを始めてしばらく経つと、家の外から声が聞こえてきた。少し困ったような口調で何かを訴えているように聞こえる。最初は組み立てに熱中していたのであまり気にしなかったんだけど、どうも女の人の声で何度も「入れてください」と言っているように聞こえた。
入れてください???
何のことだろう?
シチュエーションがよく解らなかったけど、あまり深く考えずにいた。
汗をダラダラに流しながら、尚も作業を続けていると、外の声は次第に大きくなり、口調も荒れて訴えている感じになってきた。
「ちょっとっ!入れて入れてー!入れろー!」と言って、扉をドンドンと叩く音がした。
さすがに様子が変だなと思って、そーっと外をのぞいてみると、妙齢の女性が玄関を叩いて大声を張り上げていた。直に耳に届いた女の声は、自分が思っていたよりもずっと大きく、錆びた鉄を擦り付けたような重苦しい響きがあった。
近所の別の家からも人が見ていて、その人と目が合った。
お互いに肩をすくめ、何かただ事じゃない揉め事ですねと、目線で確認しあって家の中へ入った。

しかし表の様子が気になって箪笥どころではない。
女の声は更に甲高くなり、激しく扉を叩く音が聞こえ、それが次第に際どい響きを帯びてきた。
僕は怖くなった。
それに、普段の平和な日常を切り裂く行為に怒り、づかづかと歩き、勢いをつけて玄関を出た。
さっきと同じ場所に女の背中が見えた。
小刻みに震えながら泣いていた。
女の全身から「悲しい」という塊が見えた。
注意をするつもりで玄関を出たのに、何かがこみ上げてきて言葉が出なくなってしまった。
僕がその場に立ちすくんでいると、不意に女の前の扉が、細く素早く開いて、女の体はスルリと扉の内側へ入って行った。
音が全く無くなった。

次第に風で木の葉が擦れる音や、車の走行音が戻ってきた。
ホーッ、ホケキョケキョと、長い余韻を持たせて、林の中からウグイスの声が響いた。
そこで我に返った僕は、まるで夢でも見ていたような気分になった。
さっきまでかいていた汗は、ほとんど引いていた。

箪笥が完成するまで、それから4時間ほどかかりました。

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